G2ミュージアム・アクセス・ビュー
概要
■名称由来■ 見える人も、見えない人見えにくい人も、美術館や美術鑑賞を身近なものに感じてほしいという思いから。
■設立年■ 2002年7月
■設立経緯■ 『エイブル・アート近畿2001(ひと・アート・まち)』の「2人で見て楽しむ美術鑑賞会」に参加したメンバーが中心となり発足。このとき、見える人は言葉のやりとりによる鑑賞のおもしろさを発見。見えない人たちからも、継続の声が上がる。準備段階を経て翌年正式に発足。発足メンバーには、視覚障害がありアーティストでもある光島貴之さんも加わる。
■活動エリア■ 京都市内中心
■登録者数■ 見えない人見えにくい人約50名/見える人約120名
運営状況
■運営資金■参加者からの徴収分、助成金、グッズ販売
■スタッフ数■ 見えない人見えにくい人を含む約8〜10名
■運営拠点■ なし。スタッフ同士の連絡は主にメールで行う
■ミーティング■ 不定期
■広報活動■ 登録者へはメールやチラシ(点字あり)で情報提供。そのほか、HP、ブログ、メーリングリストで地元の視覚障害者団体などへ案内
■URL■
http://www.nextftp.com/museum-access-view
■連絡先■ 080-5352-7005(受信専用)
■Mail■ museum_access_view▲yahoo.co.jp
(送信の際は▲を@にしてください。)
■代表者■ 阿部

活動内容
■活動方針■ 見えない人見えにくい人と見える人が、ともに気軽にアートを楽しむグループ。言葉による鑑賞ツアーを実施することで、見えない人たちが美術に興味を持てる機会をつくり、見える人にも新しい鑑賞のあり方を提案している。また、より鑑賞を深めるために、見えない人たちを対象にした創作ワークショップも実施する。
■鑑賞ツアー■ 実施回数:年4〜5回◆参加者平均数:見える人約20名/見えない人見えにくい人約10名◆主な展覧会:美術館(京都国立近代美術館、京都市美術館、私立の美術館など)の企画展、常設展、およびギャラリー。
■鑑賞ワークショップ■ 実績:実施回数は外部からの依頼に応じて年2〜3回。参加対象者:美術館のボランティア、視覚障害児を持つ保護者、学生など。開催場所:岡山県立美術館、財団法人たんぽぽの家、青少年会館など。
■その他■ 「言葉によるアクセスマップ」不定期作成、「美術鑑賞サポートツールの触図」不定期作成、「創作ワークショップ」(見えない人見えにくい人対象)年3回◇「出張鑑賞ツアー」不定期◇その他アクセス環境整備への働きかけをする◇2003年「ミュージアムアクセスグループ全国会議」(世田谷美術館)、2006年「アートリンク・プロジェクト」(京都市内)、2007年「アートリンク
日米フォーラム」(京都国立近代美術館)などへ参加。

鑑賞ツアー内容
■企画■ 主に市内の美術館で実施。企画ごとにスタッフで担当を決める。
■準備■ 美術館へ事前に連絡する。鑑賞前は参加者に鑑賞のポイントを説明する。
■時間■ 約3時間。
■説明■ 見えない人見えにくい人、見える人と「ことば」を使った鑑賞ツアー。「会話を楽しむ」ことができる人なら誰でも参加できる。難しい作品の解釈や説明をする必要はなく作品を介してお互いに会話を楽しむことを目的としている。
■方法■
3名(見える人2名+見えない人見えにくい人1名)のグループで行う。
@
見える人が、作品全体の大まかな構図や描写、最初に受けた印象を伝える。
A
見えない人見えにくい人は、描写や色などの質問をし、どんなイメージが浮かんだかを伝える。
B
やりとりを通して、互いの「見え方」「感じ方」の違いを確認。作品からのメッセージも探り、鑑賞を深める。
C
最後に全員で集まり、グループごとにどのような鑑賞が行われたか感想を発表する。
■約束事■ 四つの「しない」ルール
(リラックスして鑑賞するためのルール)
@
静かに鑑賞しない。
(おしゃべりしながら作品鑑賞を楽しみましょう)
A
見える人は一方的な説明をしない。
(自分や相手の声、作品の声を「聞く」ことも忘れずに)
B
見えない人見えにくい人は、聞き役に専念しない。
(どんどん困らせる質問をしましょう)
C
すべて分かり合おうとはしない。
(人間、すべてを分り合うのは不可能。気軽に鑑賞しましょう)
※会話が思いがけないところに飛んだり、発展したり、脱線したりするのはOK。
※新たな発見や忘れていた感情を思い出すことも、アートの楽しみの一つ。

■ポイント■ グループ鑑賞のポイント
@
グループ内で自己紹介をする。
A
見えない人見えにくい人の視覚の程度(全盲/弱視/中途失明/先天盲、視覚の記憶、色の記憶など)や、歩行の際の手引きの必要性を確認する。
B
会場の大きさ、作品数、時間などを確認し、鑑賞する作品を相談する。
C
言葉で鑑賞できる目安は、1時間半で10〜15点ぐらい。ある場合は、触って鑑賞できる立体コピーや点図の触図を活用する。しかし触って作品が理解できるものではないため、触図は補助ツールとして、あくまで言葉による鑑賞を行う。
■ヒント■ 「伝える」ためのヒント
・
目に一番に飛び込んできたもの、一番に感じたことを伝えるのもよい。構図を伝える時は、先に作品の大きさや大まかな構図、次に細部を伝える。
・
何か身近なものにたとえてみる(色なら「火のような赤」、人物なら「有名人の〜」など)。
・
音、会話、味覚、匂い、季節、雰囲気など、描かれてないものも想像して伝えてみる。
・
「ザァー」「ポワン」「プルン」「ガギガギ」など、擬態語も大いに伝わる。
・
相手の手を取り、動かして大きさを伝えたり、手のひらに描いたりする。
・
どういう言葉が伝わりやすいか、相手に聞いてみる。
■鑑賞後■ HPに報告文、写真、参加者の感想を掲載。

現状と問題
■参加状況■ 見える人、見えない人見えにくい人ともに、初参加の人が必ずいる。リピーターも半数ぐらいいる。
■参加者の反応■ (以下、感想文より抜粋)
・
見えない人たちは、美術館へ行くことや、鑑賞できることに気づく。
・
見える人は、言葉で鑑賞することで美術作品の新しい見方を発見し驚く。
■活動などの変化■
・
見える人のリピーターの中で、言葉の鑑賞を楽しめる人が増えてきた。
・
見えない人たちが会話を引き出す場面が増えてきた。
・
見えない人たちが、鑑賞を繰り返すうちに作品の好みがわかるようになってきた。
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会話の記録をとったり、報告書(DVD)をつくって、ビューの活動を広げようとしている。
・
美術館にもビューの活動が理解されるようになり、会議室を貸してもらったり、学芸員が感想会に同席するようになってきている。
・
外部から鑑賞ツアーを依頼されることも増えてきた。
■問題点■
・
グループでの鑑賞方法をとっているため、参加者確保のバランスが難しい(たとえば、見えない人見えにくい人の申し込みが多く、見える人の申し込みが少ないときがある)。
・
事務所がないので打ち合わせの場所に困る。
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