【わたしたちの想い】
ミュージアムなどの文化施設は、障害のある人にとっても余暇の楽しみのひとつでした。
しかし、コロナ禍にあってこうした文化的で豊かな営みに直接参加することは困難な状況となっています。
一方、withコロナにおける新しいスタイルとして、オンラインによる文化的な学びの機会は急速に広がり、場所を問わず発信・参加・交流が可能となりましたが、大多数の障害のある人は情報弱者(要支援者)となっているのが現状です。
そこで、ミュージアムなどの文化施設と障害のある人や支援者をオンラインでつなぐ「アクセスアートプログラム・オンライン」を試行実施しています。
本事業では、ミュージアムのインクルーシブな取り組みのリサーチからスタートし、オンライン鑑賞プログラムのプランニング、実際のオンライン鑑賞プログラムの実施(試行)と普及のための情報共有を行います。
本事業で想定した対象者は、身体障害(肢体、視覚、聴覚など)、知的障害、発達障害、精神障害のある人をはじめ、病気や重度の障害があり外出できない人、対面の場が苦手な人(引きこもりの人など)たちです。
本事業は、コロナ禍によって社会的・文化的環境が失われた人たちに加えて、従来は参加者(鑑賞者)として認識されていなかった人たちにも、オンラインによる文化的体験を提供する試みです。
コロナ禍という逆境を転じて、〈いつでも、どこでも、誰でも〉自由に豊かな鑑賞体験ができる環境づくりを目指しています。
【スケジュール】
▼フェーズ1:勉強会(終了)
インクルーシブなミュージアムの情報共有+障害当事者のオンライン鑑賞時の課題共有。
10〜11月実施/各回120分/Zoomを使用/参加者は15名程度で美術館、障害と芸術文化に関するNPO関係者等。
〇第1回:2020年10月19日(月)15:00-17:00
話題提供者:安曽潤子さん(インクルーシブミュージアム代表)
〇第2回:2020年11月2日(月)13:00-15:00
話題提供者:白木栄世さん(森美術館)+光島貴之さん(美術家・視覚障害当事者)
〇第3回:2020年11月9日(月)13:00-15:00
話題提供者:竹内利夫さん、亀井幸子さん(徳島県立近代美術館)+高橋秀俊さん(高知大・感覚過敏研究者)
〇第4回:2020年11月17日(火)13:00-15:00
話題提供者:柴崎由美子(エイブル・アート・ジャパン)
▼フェーズ2:オンライン鑑賞会(進行中)
フェーズ1の勉強会メンバーである文化施設と、障害のある人とでの協働による実施。
準備会(2020年11~12月、グループ別に適宜)ののち、鑑賞会3回(2021年2月)。
〇グループ1:見えない人と見える人が行うオンライン鑑賞
光島貴之さん(美術家・視覚障害当事者・アトリエみつしま)ほか、
アドバイザー:白木栄世さん(森美術館)
コーディネータ: 太田好泰
〇グループ2:知的障害のある人・精神障害のある人と行うオンライン美術館訪問
竹内利夫さん、亀井幸子さん(徳島県立近代美術館)+高橋秀俊さん(高知大・感覚過敏研究者)ほか
コーディネータ:梅田亜由美
〇グループ3:高齢の人・異なる文化的背景を持つ人と行うオンライン鑑賞
森山純子さん・佐藤麻衣子さん(水戸芸術館現代美術センター)、
社会福祉法人北養会 特別養護老人ホームもみじ館、
いばふく(茨城から福祉で元気にするプロジェクト)
コーディネータ:柴崎由美子
▼フェーズ3:オンライン鑑賞の公開(共有)のための検証とまとめ(準備中)
文化施設関係者等に向け、試行事業の報告会を実施。
〇2021年3月21日(日)開催予定